リスキリングを追いかけて「使い捨て人材」にならないように、知っておくべきこと《前編》【大竹稽】
〜デジタルは「ないと困る」思考の「知識だけ」人間を製造し使役する〜
◾️「姥捨山」行きが怖くてリスキリングしている人間が捨てられる日
「新しいスキル獲得によるデジタルへのキャッチアップ」。なんとまぁ、見栄えのいいキラキラフレーズでしょう。それに誘引されるのもあなたの選択。距離を取るのもあなたの選択。群衆の動きを観察して問題を分析するのも、いいでしょう。リスキリングが重要だという意見も、百パーセント否定しません。しかし、その眩さによって視力を奪われていたら、行き着く際に待っているのは惨たらしく過酷な状況かもしれない。これだけは想像しておきましょうね。人間であるうちに。
デジタルによって姥捨山行きが決定される自分がいるかもしれません。すでに「リスキリング」なんかが跋扈している今現在、デジタルによって使役される知識しかない人間が増産されていることに、気づいていますか?「すぐに役に立つ」を標榜する知識には、必ず賞味期限があるのです。すぐに使えなくなります。まるで毎年新しくされる商品のように。「新しい」しか見えない人は、早晩、「新しくない」人として賞味期限切れになるでしょう。それを決めるのは、上司でも同僚でも家族でも師匠でもなく、血の通わないAIです。
リスキリングに賭けるよりも、賭けるべき別の何かはたくさんあるんですけど、自分で探さない人たちが多いんですよねぇ。
【後編につづく】
文:大竹稽